従来、データセンターの管理は部門ごとに分けられ、各部門がそれぞれの担当作業を個別に行っていました。企業のデジタル化が進み、データセンターの需要が増え続ける中、このアプローチの重大な欠点が浮き彫りになっています。それは、各部門の連携が取れていないため、部門ごとの動きがデータセンターの性能やキャパシティに与える影響を予測できない点です。
部門間の連携不足は、空きスペースや冷却能力などのキャパシティが想定の6、7割までしか使えない事態を招いていました。そのため、データセンター事業社は、必要な施設は2棟で十分であるにも関わらず、3棟を準備しなければならない状態となっています。新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るい、デジタル化が質と量の両方で加速する今、キャパシティの非効率な使い方はさらに悪化すると予想されます。深刻なコスト増加につながるこの問題を、データセンター業界が解決するための糸口こそ、「6Sigma Digital twin」です。
「6Sigma Digital twin」とは、実在するデータセンターの「仮想空間に3Dで再現したモデル」であり、あらゆる運用シナリオ下での物理現象をシミュレーションできます。デジタルツインを核とする弊社のソフトウェアスイートは、データセンターに関係するあらゆる分野に対応しており、電源、冷却システム、IT機器、ネットワークなどをすべて、仮想空間上に再現できます。
「6Sigma Digital twin」を使うことで、「運用管理が施設の性能やビジネスに与える影響」をすべてのデータセンター関係者が予測し、管理することが可能です。また、機器などの豊富なデータベース、物理現象に基づくシミュレーション、すでに使用中のツール (DCIMやMicrosoft 365等) との連携で、運用情報の一元管理や部門同士の連携を実現する1つのプラットフォームを構築できます。このプラットフォームで、データセンターのビジネス価値や性能を最大化することが可能です。
デジタルツインで解決できるお悩み一覧
お客様の声
6Sigma Digital TwinとDCIMツールの違いは何でしょう?
6Sigma Digital TwinとDCIMは「どちらも様々な設備/機能を統合管理できるツール」ですが、1つだけ明確な違いがあります。DCIMは、モニタリング、資産管理、ワークフローを通じて、現時点でのデータセンターの運用管理に焦点を当てています。
一方で、6Sigma Digital Twinは、DCIMツール同様にモデル化しますが、物理学に基づいたシミュレーションを通じ、将来の計画や機器の設置に焦点を当てています。
以下のデータセンター管理の成熟度表では、さらに詳しく説明しています。
データセンター管理の成熟度
レベル1: 基本モデル | レベル2: 事後対処モデル | レベル3: 事前対策モデル | レベル4: 最適化モデル | レベル5: 自動感知 / 自動制御モデル |
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・基本的なモニタリング ・部門間のデータ連携はなし ・事前に準備したガイドラインに沿って管理 | ・より高度なモニタリング ・部門を越えたデータの連携 ・リアルタイムのデータをもとに管理 | ・リアルタイムデータを入力値として使用 ・物理現象をシミュレーション ・シミュレーションをもとに管理 | ・リアルタイムデータとシミュレーションデータをAlシステムが学習 ・Alとシミュレーションで管理 | ・AIとシミュレーションで管理 ・運用管理ソフトウェアがデータセンターの挙動を調整し、ライフサイクルを通して目標、基準、サービス要件に応じてリソースを最大限に活用 |
効果 低 | 効果 中 | 効果 高 | 効果 高 | 効果 高 |
ツール 必要に応じて使用 | ツール DCIM | ツール シミュレーションDCIM | ツール AI | ツール AI |