【アンケートブログ 第3回】キャパシティ管理

(投稿者:技術部 磯辺)

■ はじめに

全3回でお届けしているアンケートブログも、今回で最終回です。以前のブログではCFD技術を活用した「熱的リスクの検証」や「コスト削減」について紹介しております。ぜひそちらもご覧ください。
【アンケートブログ第1回】熱的リスクの検証
【アンケートブログ第2回】NOリスクで電力コスト削減

今回のテーマは「キャパシティ管理」です。
これまでのブログでは「データセンタの設備」を改善する方法について紹介してきましたが、実は弊社「データセンタの運用・管理ソフト」も扱っております。今回は、そこで得た知見をもとに、キャパシティ管理に必要な2つのポイントと、6SigmaAccessを用いた最適な運用方法について紹介します。


■ 運用で発生する問題

いきなりですが、管理者の方々は、次のような問題に直面した経験はないでしょうか?
 ・IT機器を設置できるスペースが足りない
 ・電力や冷却能力が足りない

こういった問題は、大抵の場合、業務の属人化や部署間でのコミュニケーション不足で起きています。管理すべき個々の項目は専門性が高く、一朝一夕で理解できるものではないため、情報の理解と共有は非常に難しくなります。加えて、データセンタ内の情報は常に更新されていくため、異なるチーム間の情報共有はより困難になり、コミュニケーション不足に陥ってしまいます。


■ キャパシティ管理不足が招くこと

「データセンタ内の情報は常に更新されていく」これはつまり、最適な状態も常に変化しているということです。そんな中、日々の変化を軽視した運用を続けていけば当然そのしわ寄せが現れます。
例えば、キャパシティが足りないまま運用を続ければ、致命的な障害が発生する恐れがあります。問題が発生せずとも、足りなくなった電力や冷却能力、スペースを補おうとすれば、設備の追加や、新設データセンタの検討など、多くのコストが必要となるでしょう。


■ デジタルツインと6SigmaAccess

どのようにすれば運用の問題を解決できるだろうか?そう考え込み、いろいろな方法を模索して、上手くいかなかった経験はありませんか。
そんな皆さんに、キャパシティ管理に必要な2つのポイントをお伝えします。重要なのは以下の2点です。
・確認すべき情報が1ヶ所にある
・その情報が常に最新である

これだけは押さえましょう。

確認しなければならないことが点在していれば、キャパシティ管理に必要な情報をあつめることに時間がかかりますし、その情報全てを正確に把握することは困難です。加えて、最新の情報でなければ、古いデータを参考にキャパシティ管理を行うことになります。これらの問題を避けるには、データセンタの情報は「1ヶ所にあり、常に最新であること」が重要です。
 
この2点を押さえて管理する方法に「デジタルツイン」の利用があります。
デジタルツインとは「デジタル空間上に全く同じものを作り、情報の管理や分析をしてしまおう」という考えです。自動車業界や製造業界など、様々な分野で利用されている考えですが、データセンタのキャパシティ管理の重要性を提唱しているFuture Facilitiesは早々と目を付け「データセンタのデジタルツイン」を実現しています。それを運用に用いたのが6SigmaAccessです。


■ 6SigmaAccessを用いた運用

 6SigmaAccessでは下記図の流れ (図1) で、データセンタの情報を、3Dモデル上 (デジタル空間) に集約し、常に最新の状態に保ちます。その3Dモデルを用いて、「機器、備品、接続状況など、データセンタを構成するすべてのものを管理」し、「冷却能力、電力、荷重、ポートなどの使用状況・空き状況などを分析」することが可能です。つまり、機器の実装や移動、変更、それに伴う電力や冷却能力といったキャパシティの変化を、常に1ヶ所で確認できるのです。


図1. データセンタのデジタルツイン


ここで、実際のソフトウェア画面と共に、デジタルツイン環境を紹介します。下記アニメーション (図2) は、6SigmaAccess上で新たな機器の設置を依頼している (または他部署に設置を依頼するため、空き状況を確認している) 画面です。この時点で、自分の設置したい機器が物理的に置けるのか、電力、冷却能力、荷重といった条件が十分であるのかを色で教えてくれます。

図2. キャパシティ状況を表示して、レイアウトを検証


また、変更内容はデータベース上に保持され、管理者が蓄積された情報を用いて適用の可否を決定できます。変更履歴の確認もおこなえるので、何時、誰が、何を変更するのか、何時までに実施予定なのか簡単に確認可能です (図3) 。必要があれば、関係者に変更依頼のメールを送信することもできます。

図3. 変更履歴の確認画面


変更に伴う設置予定、撤去予定といった状態も3Dモデル上で色分けされ表示されます。条件はカスタム可能なので自分たちの運用スタイルに合わせて表記を変更可能です。

図4. 3Dモデル上で、設置予定・撤去予定を表示


6SigmaAccessはデータベース上にある3Dモデルを中心に、情報の更新を行うことで、必要な情報を1ヶ所に集約し、常に最新の状態を保持します。加えてソフトウェアGUIや操作方法が分かりやすいため、誰でも理解でき、簡単に操作可能です。つまり、6SigmaAccessを利用することで、運用の問題となる属人化やコミュニケーション不足を自然に改善できるのです。


■ まとめ

データセンタの運用は複雑化の一途をたどっています。日々変化し、増大していく情報を正確に処理することは、より難しくなっていくでしょう。既にその一端を感じている方は直ぐにでも対策を講じなければ、取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。
今の運用に不安をお持ちの方は、ぜひ一度Future Facilitiesにご相談ください。

・運用管理者向けツール「6SigmaAccess」 製品紹介ぺージはこちら
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