【アンケートブログ 第1回】熱的リスクの検証

(投稿者:技術部 引地)

■ はじめに
2019年9月に開催した弊社プライベートセミナーで、「業務上の抱えている課題」についてアンケートを実施したところ、上位3つが、「熱的リスクの検証」「コスト削減」「キャパシティ管理」という結果となりました。この3つのキーワードを基に、全3回に渡って、技術ブログをお届けいたします。第1回目は、「熱的リスクの検証」です。
10年程前のデータセンタでは、1ラック当たり2~3kW程の負荷でした。しかしながら、最近ではITを活用したサービスの爆発的な需要増加を受け、サーバの高負荷化、高密度化が進んでいます。加えて、ブロックチェーン、IoT、AI、GPUサーバ、そして5Gネットワーク等、マシンパワーと台数をより必要とする要件が次から次へと控えています。高負荷化、高密度化したサーバの消費電力量は増加の一途をたどっており、熱的リスクも必然的に高まっています。
皆様は、高まる熱的リスクをどのように検証していますか?


■ 熱的リスクの検証
検証方法として、「温度センサを用いて、サイト内や空調機の戻り温度を監視する方法」「サーモカメラによる熱の可視化」が挙げられます。多くの方々は、その検証方法で安心されていますが、温度センサやサーモカメラでは不十分なことが多いです。温度センサは温度をピンポイントで測定しているだけで、数cm離れた場所では全く異なる温度になる可能性があります。また、温度センサを多く設置するのは費用がかさむため現実的ではないです。サーモカメラを使うことで、サーバ表面などの温度分布は可視化できますが、「なぜ、そのような結果になったのか」という原因を特定することにはなりません。
このように、目に見えない熱や空気の問題は分かりづらく、発見が遅れることが多いです。事前に熱的リスクを把握し、対策するためには、どのように検証すべきなのでしょうか。


そこで役立つのが、弊社のデータセンタ向けに特化した熱流体解析ソフト「6SigmaRoom」です。サーモカメラで見えない空気の流れを可視化し、温度センサで検出しにくいホットスポットを探し出すことができます。このソフトウェアを用いて、データセンタのデジタルツイン (物理環境の情報を用いて、デジタル空間に再現された動的な仮想モデル) を構築し、部屋内の熱をくまなく再現することで、見落としがちな熱的リスクも十分に検証可能です。
例として、今回は「ブランキングパネルの有無で、熱的リスクにどの程度の差が出るか」を6SigmaRoomで検証していきたいと思います。先日、コロケーションのデータセンタを見学した際、担当者の方から「ブランキングパネルを無料で提供しているにもかかわらず、設置していただけない」という悩みを伺いました。ブランキングパネルの有無で熱的リスクがどれほど変わるかを証明できれば、より多くの方に設置してもらえるかもしれません。6SigmaRoomでは、ブランキングパネルを設置した場合と設置しない場合で、どのような影響が出るかを解析することができます。以下の画像から、その解析結果を見てみましょう。


図1.ブランキングパネルあり・なしの解析事例

ブランキングパネルを設置した場合(図1.左)、すべての機器温度がASHRAE推奨基準の27℃以内に収まっています。一方、ブランキングパネルを設置しなかった場合(図1.右)、コールドアイルキャッピングをしていたとしてもブランクパネルが無いと冷却効果は半減してしまいます。



図2.ラック横から見た、ブランキングパネルあり・なしの解析事例
 

ラック横からの解析事例を見ると、ブランキングパネルを設置した場合(図2.左)、ラック内で流れが回り込みしている箇所は見当たりません。しかし、ブランキングパネルを設置しなかった場合(図2.右)、背面側のラックからの排気が前面へ回り込み、それを吸い込むことで吸気温度が高くなっている様子が分かります。そのため3台の機器が、吸気温度27℃以上を示しています。また、6SigmaRoomを使うと、「この3台を温度基準内に収めるためには、空調機の設定温度を何度下げる必要があるか」ということも判明します。熱的リスクの検証を行うだけではなく、リスクがある場所への対応も、このソフトウェアで検討していくことが可能です。


■ まとめ
目に見えない熱や空気の問題は、サイト内のどこに原因があるのかを探すことが難しく、見過ごしてしまうことが多くなってしまいます。そのような熱的リスクを検証し、削減するためには、6SigmaRoomで部屋全体を再現し、温度センサやサーモカメラでは捉えきれない熱や空気も含めて検証していくべきでしょう。


次回のテーマは「コスト削減」です。「過剰に冷却した状態で運用しがちな空調機の運用最適化」を交えながら解説していきたいと思います。

本ブログでもご紹介したように、ブランキングパネルの効果は非常に大きく、熱的リスクの低減には欠かせない対策の一つと言えます。弊社では、ブリヂストンKBG様と共同開発した”業界一軽い&加工がしやすい”ブランキングパネルを取り扱っております。ご興味がございましたら、下記お問い合わせフォームまでご連絡ください。

お問い合わせフォーム



Other Recent Posts


The Home-Away-From-Home Data Center

French colocation data center provider, Thésée DataCenter, has created an interactive, innovative D…

Read More


Digital Twins and DCIM

Finding the right tools to manage data center infrastructure and IT throughout design and operation…

Read More

26 November, 2019

Back to entries