チップの高密度化とプロセッサの高性能化に伴い、データセンターにIT機器を設置する際は、その排熱への対処としてどのような技術を導入すべきか、検討する必要があります。かかつては実現不可能とされていた液冷システムは、データセンター業界で急速に受け入れられ、求められる技術技術となっています。
あなたのデータセンターは、液冷システムを導入する準備が整っていますか?
この技術を実装する前に、その影響を検証できますか?
空冷式と液冷式のデータセンターを比較検証できますか?
データセンターのデジタルツインは、上記のすべてに「YES」を返すことができる唯一のツールです。このブログでは、弊社製品である6SigmaDCXスイートを用いて、「液冷」と「液冷&空冷のハイブリッド方式」の両方で簡易モデル化したデータセンターについて取り上げます。その際に1D-3Dの連成解析を使用することで、両方の良さを最大限に生かして、液冷モデルの作成に特有の要件を満たす方法をご紹介します。
データセンターをまるごと、仮想空間に作成したレプリカが「データセンターのデジタルツイン」です。あらゆる条件で物理的な運用を検証することができます。
データセンターにおける液冷システムの実装を精度高くモデル化するために、IT機器レベルから施設レベルまでの規模で、液冷の循環経路と流量を再現します。その詳細な検証方法については、「Is Your Data Center Fluid Enough to Handle Liquid Cooling Systems?(英語ブログ)」にて、紹介しています。
冷却水システムがデータセンターのIT機器スペースに与える影響を検証したい場合は、施設内における冷却水の流れ方の再現を扱った弊社ブログ「リリース14新機能: 1次元の冷媒ネットワーク」 をぜひご覧ください。
費用や期間がかかる物理的な検証の代わりに、データセンターのデジタルツインを使えば、液冷の稼働状況を仮想空間で検証できます。CFDモデルの中には、解析時間が長いものもありますが、弊社のソフトウェアは、業界屈指の解析速度を誇る強力なCFDソルバを搭載しています。
弊社のソルバを使用しても、液冷の冷却方式は3Dモデルで解析すると複雑な計算になるため、計算量が多くなってしまいます。この問題を解決するにあたり、3Dモデルと1次元の冷媒ネットワークを接続し、解析時間を短縮することで、熱をより簡単に分析できるようにしました。
熱の回収率、つまりすべての熱から液冷システムに吸収された熱の算出のため、私たちのソフトウェアは、詳細なCADモデルから得たコールドプレートの圧力損失と熱抵抗曲線のデータを使っています。IT機器レベルの解析完了後、そのデータをラックレベルの解析に使用します。さらにそのデータを部屋レベルのモデルの解析に使用して、モデル全体の解析を実行します。
1次元の冷媒ネットワークを3Dモデルに組み込むことで、グリッドを削減し、解析時間を短縮しています。この接続方法は、弊社のソフトウェア特有の機能です。
図1.液冷システムの3Dモデル (上) と冷却水経路の1Dモデル (下)
データセンター業界で唯一、絶えず変化し続けるものこそIT機器です。最先端技術を搭載したIT機器から従来の機器まで、データセンターはすべてに適応してなければなりません。データセンターの熱気流解析(CFD解析)は、新しい技術を採用する前にその影響を検証でき、新しい激動の時代に柔軟に対応できる確実な方法の一つです。
「データセンターのデジタルツイン化」の方法については、4つの簡単なステップでご紹介したこちら「データセンターのデジタルツイン化」の方法のブログをご覧ください。また、ご質問やお問い合わせはこちらからご連絡ください。
Product Marketing Manager Danielle Gibson
Research Manager Kourosh Nemati
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22 February, 2021