~IT部門とファシリティ部門の「連携不足」を防ぐ~
データセンター業界は、外から見ると巨大なスーパーコンピューターのように見えるかもしれません。しかし、ここの業界で働く人は、「たった一つのデータセンターでも多くの人や部門が関係し、また多くの企業が複数のデータセンター運営していること」を知っています。これらの企業や部門は、それぞれ異なる目標、優先事項があり、さらには異なるツールセットを使用しています。
データセンターの各部門で運用のワークフローや組織構造は異なりますが、データセンターを管理する上で重要な役割を果たすのが「IT」と「ファシリティ」の2つの部門です。変更の依頼受け、新しく設置する機器の申請や設置場所の選択などを行い、最適な設置場所を決定する際、両部門では複数のツールを用いて複数の人とのやり取りを重ねるため、部門間で深刻な「連携不足」が発生する場合があります。
このブログでは、データセンター管理におけるIT部門とファシリティ部門の連携不足を解消する5つの有用なヒントを紹介します。
部門間の連携不足を解消するためには、自分たちが何をしているのかを知る必要があります。各部門でワークフローを確認し、それが他の部門でどのように運用されているかを確認することは、連携不足の情報を特定する有効な方法です。企業内の全部門が、ワークフローのプロセスを同じように考えているかどうかを確認することは、有用性高いと言えます。これは、非効率な部分とその改善の機会を発見する最初のー歩です。
部門間の連携不足の多くは、膨大な量のデータ処理が原因で生じます。そのような場合、すべてのIT資産の位置情報を詳細に検索できるデータベースが役立ちます。また、このデータベースは、複数の部門が電力、スペース、冷却能力、重量、ネットワークのポートといったキャパシティを追跡し、管理する場合にも効果的です。また、担当者による変更を追跡できるデータベースであれば、より有用です。
複数の部門で連携する場合、他の部門のニーズや優先順位を考慮する必要があります。まず自分の部門の優先順位を確認し、次に他の部門の優先順位を見極め、最後にこれらの優先順位を各部門のワークフローに合わせて調整します。データセンター業界では、全員の作業内容が同じになることはありません。他部門の優先順位を把握することで、より連携しやすいワークフローを実現できます。
「見積もり」や「経験則」に基づいた運用は、費用のかさむリソースの過剰供給につながります。多くの部門は、潜在的なリスクを回避するために、過剰にリソースを確保することを選択します。この問題を回避する一つの方法として、ワークフローに熱気流解析(CFD解析)を導入することがあります。
解析は、物理学に基づくデータから、部門が最初に正しい判断を下すことを可能にします。冷却能力と気流の数値的再現ができる熱気流解析(CFD解析)を使用することで、部門はIT機器の変更による影響を簡単に算出し、デバイスがどのように稼働するか設置前に知ることができます。
データセンターにおける部門間の連携不足を解消するため、部門間で連携した作業の枠組みの中でデータにリアルタイムでアクセスし、共有する必要があります。この問題を解決する別の方法として、自社がデジタルジャーニー (DXを実現するための道のり) のどの段階にあるかを評価することが挙げられます(詳細はこちら(英語))。適切なツールとプロセスを導入することで、自社のデジタルインフラをデジタルジャーニーに適応させ、DXをさらに加速させることができます。
データセンターの管理は技術的な側面が重視されますが、データセンターを構成する人為的な要素である部門の存在を忘れてはなりません。特に仮想空間で部門をまとめる能力は、データセンター管理の最適化を左右すると言っても過言ではありません。これは、部門間の連携を容易にし、効率を最大化するための鍵となるのです。以上、5つのヒントをご紹介しましたが、お役立ていただければ幸いです。詳細はこちらからお問い合わせください。
Product Marketing Manager
Danielle Gibson
下記フォームよりご質問を承っております。FAQも併せてご覧ください。
また、お電話での折り返しを希望の方は、質問内容欄にお電話番号を記載ください。
他の最新投稿
ケイデンス、Future Facilitiesの買収を完了
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サン…
ケイデンス、データセンター向けデジタルツイン技術のパイオニア企業 Future Facilities社を買収
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サン…
13 May, 2021